PeopleBig4監査法人出身者による選択 ‐ 赤堀 幸希

公認会計士がM&Aコンサルティングを選択した理由(赤堀 幸希)

Q.転職を考えたきっかけは何ですか?

前職では、いわゆるBig4監査法人のFASで、上場企業同士のM&Aなど、比較的大規模な案件において財務デューデリジェンスなどの業務に従事していました。

Big4監査法人のFASでは、有名な上場企業のM&A案件をチーム組成してデリバリーするという業務が多く、自身が直接関わった案件が新聞やネットニュースに掲載されるなど、その経済へのインパクトやダイナミックさから非常にやりがいを感じていました。

一方で、比較的大規模な案件をチーム組成して動くということから、自身の業務範囲がM&Aの全行程の一部にとどまってしまうという点がありました。

私は上記のようにM&Aという業務に強くやりがいを感じたことから、ソーシングからクロージングまでの全工程に深く関わり、自らが全ての段階に責任を持ちたいという強い思いが芽生えたため、転職を考えるに至りました。

Q.転職活動中に探していた求人は?

最初はFASに所属しているときのクライアントを見ていて、M&Aのキーマンになれれば、自分の会社のM&Aを動かすことによって、よりダイナミックな仕事ができると考えて、事業会社の経営企画・M&A担当部門に絞って検索をしていました。

M&A仲介やアドバイザリーの業界には憧れはありましたが、営業能力が高い人材しか入ることができないと思っていたため、正直なところ最初は、全く検討していませんでした。

その矢先、大手M&A仲介会社からスカウトをいただいて、自分のキャリアでもM&A仲介業界への転職の可能性があると実感しました。

その後も様々なM&A仲介会社からスカウトがありましたが、自身の考えや目指す働き方などとマッチする会社が少ないと感じていたところ、M&Aコンサルティングからスカウトをいただきました。

他の会社はどちらかというと営業よりのスタンスでしたが、M&Aコンサルティングは、「提案力」という質を重視しており、投資銀行や証券会社出身の方々や、バイサイド経験者、M&A関連業務経験がある公認会計士の方々も活躍しているという点から、他とは違う印象を受けました。

また、自身が既に結婚していたこともあり、他社と比較して基本給が高めであったことも本音としてはありました。

家族に安心してもらって、落ち着いて仕事ができるという点が大きかったです。

Q.公認会計士だからこそ活躍できる理由は?

最初は取締役の相亰さんからご連絡をいただきました。

相亰さんはたまたま、同じあずさ監査法人出身の公認会計士ということもあり、話しやすい印象でした。

公認会計士とM&Aアドバイザリーとのスキルマッチの部分では、特に『財務分析スキル』が挙げられると考えます。

監査法人出身の方は、様々な業界の監査を通じて、業界、同業他社の動向、会社の強み・弱み、成長戦略などをリスク評価手続きで行うスキルが身についていることや、プロフェッショナルとしてクライアントと対峙をする経験がある点が、直接的にM&Aアドバイザリーでのスキルにマッチすると思います。

さらに、監査法人の中では当たり前な「公認会計士」という肩書も、このM&A仲介業では非常に強みがあります。まず、業務のスタートとなるソーシングにおける売主候補様との面談時でも、一定の社会的信用が担保されていることから有利に働くことが多いという実感もあります。また、会話の中でも株価の計算やロジック、借入の状況など財務数値のイメージもスムーズにできます。

このように、「公認会計士」という肩書が活きやすいということも、M&Aアドバイザリーを選択した背景にあります。

公認会計士がM&Aコンサルティングを選択した理由(赤堀さん)2

Q.前職との違いと、入社後に感じた良いギャップは?

自身の案件については基本的にソーシングから成約まで、自身で対応することから、業務に対する責任感は上がったと実感します。

正直なところ、M&Aコンサルティングは急成長中の企業なので、サポート体制などにはあまり期待していませんでしたが、思っていた以上にサポート体制が充実していました。

具体的には、案件における話の進め方や使用する書類の形式、企業のおおよその価値などで、経営陣に直接相談できる点が挙げられます。

また、当然のことながら、私自身を含めた公認会計士の皆さんは営業力について不安を感じるかもしれません。

もちろん業務上、営業力というものも必要ではあるのですが、M&Aコンサルティングでは一部の営業活動についてサポートしてもらえる体制が整っているので、自身のリソースを、お客様と話をするときの「提案」のために使うことが出来、本質的なコンサルティングに集中することが出来るという点が非常にマッチしました。

Q.ご自身で大切にされている仕事の価値観、キャリアへの考え方は?

私にとって、M&Aアドバイザリーをやり切るということは自身のキャリアの中で1つの重要なゴールです。

先述のように、M&Aは社会・経済に大きなインパクトを与える事象であり、特に中小・中堅企業のオーナーにとっては人生に一度、あるか無いかのイベントです。これをやり切るためには、まずは人間として信頼されてから、会計・税務・法務・ファイナンスなどの総合力を駆使してやり切ることが求められる、非常に難易度の高い業務です。これをM&Aアドバイザーとしてやり切ることが出来ると、一人前のビジネスパーソンとして認められるのではないか、と考えて日々の業務に向き合っています。

公認会計士がM&Aコンサルティングを選択した理由(赤堀さん)3

Q.公認会計士がM&Aコンサルティングに入社する利点は何ですか?

大手監査法人に勤務している場合、通常、マネジャーに昇進するまでは、監査手続の実施やチーム運営などに多くの時間を費やすことから、「営業」を行うことは無いと思います。マネジャーになってからも、上場企業の監査がメインだと、現状の監査クライアントの維持や、監査効率の向上による収益向上、監査報酬の引き上げ交渉が一般的には多く、新規顧客の獲得を行うとしても、上場準備会社の監査担当部門であったり、一部のパートナーであることが多いと思います。

公認会計士として独立をするとなると、監査、コンサルティングなどの業務を行うことが多いと思うのですが、どの業務もクライアントありきなので当然、顧客獲得能力というものは必要となります。

M&Aコンサルティングでは、顧客獲得能力を効果的かつ効率的に身に着けることが出来ると実感しています。顧客獲得には、シンプルに言うと一番の入口のところのリード、アポ獲得、面談、受託という流れですが、これにはそれぞれの量と質が大きく影響します。私自身の性格や考え方もありますが、一日〇〇件の電話をする、〇〇件の訪問をするということも大事なのですが、それよりも「提案力」を高めて質を上げることにより、確率を上げていくことによる顧客獲得力の向上がしっくりときました。この点、M&Aコンサルティングでは電話などの一部の営業活動をサポートしてくれる体制が整っている点などから、私のような公認会計士の方も抵抗なく、顧客獲得能力を身に着けることが出来ると思います。

また上述のように、M&Aにおいてはまずは人間として信頼されてから、会計・税務・法務・ファイナンスなどの総合力を駆使してやり切ることが求められ、成約を何件か経験すれば、営業力は当然身に付き、さらに信頼を勝ち取った売主様や買主様から自然と紹介なども生まれてくる環境になるかと思います。そして、「提案力」の高い高品質なM&A関連業務というスキルも当然のように自然に身に付くので、将来的に独立を考える公認会計士は歓迎される社風があり、独立を検討している方にとっても魅力的な環境と言えます。